事例紹介CASE STUDY
中性化深さ試験(はつり法)
橋梁詳細調査投稿日:2020年7月7日
はつり法とはその名の通り、はつり工によって鉄筋を露出させて物理的にかぶり深さと中性化深さを調査する試験方法です。
はつりに先立って電磁波レーダー法による鉄筋位置の割り出し墨付けを行います。
はつり範囲は必要最小限にとどめることが理想であるため、主筋や配力筋等の状況を把握し、構造体の性格に応じて適切な試験位置を設定します。
こちらはRCコンクリート主桁下端の鉄筋をはつり出し、フェノールフタレイン溶液を噴霧した状況です。
部分的に中性化が鉄筋の深さに到達している様が見て取れます。
一方、鉄筋が丸鋼であることから昭和四十年代以前の建造であることが推定されます。
現在ではコンクリートとの付着性能が高い異形鉄筋が用いられています。
経過年数に比して中性化の進行が顕著でないとすると、表面の被覆塗膜が二酸化炭素の遮断に貢献していたのかもしれません。
ただ、鉄筋が腐食していることから、コンクリートの再アルカリ化等の措置が行われた可能性も考えられます。
詳細調査の際は、その構造物の維持管理履歴や設計図書等を併せて確認することで、採集するデータの妥当性を図ることが重要です。
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