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事例紹介CASE STUDY

中性化深さ試験(ドリル法)

橋梁詳細調査投稿日:2020年7月7日

圧縮に強いが引っ張りに弱い、コンクリートの弱点を克服するために発明されたのが鉄筋コンクリートです。

 

鉄は引っ張りには強い一方圧縮には弱いため、互いの弱点を補いつつ協力し合って成り立つわけです。

ところが鉄筋が腐食してしまうとせっかくの協力関係もご破算になってしまいます。

コンクリートは高アルカリ性のため、鉄筋コンクリート中の鉄筋は腐食しないはずです。

ところが、コンクリートは空気に触れる面から徐々に、アルカリ性から酸性へと変化していきます。

これをコンクリートの中性化と言います。

鉄筋の深さまで中性化が進行すると、鉄筋は腐食し、膨張します。

鉄筋を腐食から守っていたはずのコンクリートは鉄筋の腐食膨張によって破壊を生じ剥落し、さらに鉄筋が腐食すれば強度の低下が生じます。

 

ドリル法による中性化深さ試験は電動ドリルの削孔時に生じる削孔粉を用いる試験方法です。

コア供試体を用いる試験方法に比べて構造体へのダメージが少なく、簡易的に試験を行うことができます。

フェノールフタレイン溶液を染み込ませた濾紙に削孔粉が接触した際に、アルカリ性削孔粉であれば赤紫色に変色します。

中性化したコンクリートの削孔粉では変色が生じないことから、変色を生じ始めた位置までの深さが中性化深さと考えられます。

電磁波レーダー法やはつり法による鉄筋かぶり深さ調査を併用して、中性化深さとの関係をデータ採集します。

調査のデータを基に、コンクリートの再アルカリ化工法や二酸化炭素との接触を遮断する塗膜等による表面被覆工法等の補修・補強工法を検討することができます。